SBIC東京中小企業投資育成株式会社

新たな市場を拓く、海外需要をつかめ!

これまで中小企業の海外展開は、現地日系企業への販売や日本への輸出が中心だった。
しかし今後、企業の成長を描くには、海外現地需要へのアタックが不可欠となる。
積極的なチャレンジで、海外市場を切り拓くことに成功した企業4社の戦略を学び、自社の海外新展開の糧にしたい。

品質に自信を持ち、適正価格で売れるまで交渉する!

海外における事業展開で、より良い品質の製品を作っているのならば、安易な値引き販売をする必要はない。これを実証したのが、オイルレスベアリング(無給油すべり軸受け)の分野で、国内トップ企業であるオイレス工業である。
同社の海外現地法人は10社で、連結売上高590億円(2018年3月期)のうち海外向けが約4割にも及ぶ。

飯田昌弥社長

飯田昌弥社長

オイレス工業株式会社
主な事業内容:
軸受機器、構造(免震・制震)機器、建築機器の製造・販売
本社所在地:
神奈川県藤沢市
社長:
飯田昌弥
創業:
1952年3月
従業員数:
2051名(連結ベース)

同社の海外ビジネスは1960年代にスタート。アジア地域初の生産拠点は、1998年に建設した上海の一般産業向けベアリング工場であった。上海で現地生産を始めた後、同社の優れた技術を知った現地企業から引き合いがくるようになった。しかし、実際に売り込みに行ってみると先方企業は、同社が設定した価格の「3分の1程度であれば買ってもいい」と強気の反応をしたという。

代表取締役社長の飯田昌弥氏によれば、そのときの会社の判断は「それなら、売り込みに行くな」であったという。それだけ、製品の品質に自信があったのだ。
当時の中国には2000社以上のベアリング会社がひしめいており、日本製品などの模倣品があふれていた。「早く売りたい」「たくさん売りたい」と焦ると、そうした模倣品との勝負になり、価格競争におちいってしまう。それでは意味がないということである。

その後、中国の完成車メーカーも技術力を上げ、海外輸出を高めるなかで、部品の問題発生によって生じる莫大なコストを重視するようになる。結果、価格は高くても、品質の良い部品を使ったほうが有利であることが徐々に浸透していった。
それに合わせて、同社のベアリングが使われるようになったのだ。

目の前の価格要求に単純に対応するのではなく、自社製品の品質に自信を持って、品質を反映した適正な価格で買ってくれるまで、粘り強く自社製品をアピールするという作戦が実を結んだわけだ。結果、上海オイレスでは、現地の需要が7割近くを占めるまでになっている。

また、現地需要に応えるときに課題になるのは、文化の違う現地の人たちとのコミュニケーションである。特に現地企業に対する営業に関しては、現地のスタッフに活躍してもらうことが重要だ。そのためには、人事管理を担当するスタッフと優秀な営業担当を、いかに現地で採用するかもポイントとなる。

オイレスドイツを支える 現地スタッフ

オイレスドイツを支える現地スタッフ。

オイレスドイツでは、ドイツ人スタッフを集め、日本人技術者とうまく結びつけながら取引先を拡大していった。ヨーロッパの自動車メーカーはプライドが高く、「日本の自動車メーカーに使われている部品」だとアピールしてもまったく響かない。そこで同社では、製品の機能性を説明して、その機能評価をしてもらい、理解を深めていくような営業を展開していった。

新しい需要の発掘にも余念がない。
自動車業界で起きているEV(電気自動車)化や自動運転の動きも、飯田社長によれば大きなビジネスチャンスである。
EVの長距離走行には軽量・小型の同社製品が果たす役割は大きい。また、エンジン音がなくなる分だけ静音性が重視される。さらに自動運転では、乗り心地もより重視されだろう。これらに、オイルレスベアリングは大きくかかわっている。

飯田社長の視線の先には、グローバルな自動車業界における変革のなかで、同社製品の機能が新たな役割を果たす姿がある。

オレイス工業3つの戦略

優秀なパートナー選びとトップ同士の信頼関係こそ重要

国や地域の食事情に応じた包装機械を展開し、世界中にマーケットを広げているのが、大森機械工業株式会社である。
同社の海外進出は、1990年ごろに始まった中国のインスタントラーメンのブームへの対応であった。当初は輸出を行っていたが、円高の進行により中国側と価格の折り合いがつかなくなり、中国・国営企業との合弁で、インスタントラーメン向け包装機の現地生産を開始することとなる。

大森利夫社長

大森利夫社長

大森機械工業株式会社
主な事業内容:
包装用機械および包装関連機器の製造・販売
本社所在地:
埼玉県越谷市
社長:
大森利夫
創業:
1948年3月
従業員数:
587名

代表取締役社長の大森利夫氏はこう振り返る。
「中国企業との合弁会社の話をすると、『騙されたことはありませんか』とよく聞かれますが、当社の場合はまったくありませんでしたね」
創業者で、当時社長だった大森昌三氏が現地の経営陣と頻繁に連絡をとり、「注文は入っているか」「問題はないか」と、経営トップ自らコミュニケーションを欠かさなかったことが大きかったという。

また、2013年にはインドに進出。このときは、社内にインド室を設置し、進出するための準備をしていると、「インドの包装機メーカーが売りに出ている」との情報が飛び込んできた。インドに進出すれば、真っ先に競争相手になるマルチパックという会社だった。

「であれば、買収を前提にインド進出を考えようということになったのです」

資金的な問題があったが、同社が、サプライチェーン上重要な役割を果たす中堅・中小の製造業と位置づけられ、日本政策投資銀行からのサポートを受けていたため、結果的に同社が15億円、日本政策投資銀行が18億円を出資してSPC(特別目的会社)を設立し、そこを通じてマルチパックを買収する。
インドに進出すれば、マルチパックは最大の競合になっていたはずだ。その会社を買収できたことで、インドでのビジネスを順調にスタートすることができた。

しかし、現地社員のマネジメントでは苦労した面もある。
インドでは経営層が自分の子供や親せきに便宜をはかることが少なくなく、マルチパックも例外ではなかった。
買収後、日本人社員が同社の不適切な下請けを切ることとしたが、関係していた社員が一気に辞め、戦力ダウンを免れなかったという。
このように、海外進出においては「郷に入っては郷に従え」の言葉通り、ある程度現地の慣習を受け入れる姿勢も重要になりそうだ。

クッキーやビスケットの包装機をつくる「大森インド」のスタッフ。

現在ではタイやオランダ、カナダにも拠点を持ち、現地需要に応えている。成功の秘訣はパートナー選びとコミュニケーションにある。
「現地でブランド力を持ち、業績を積み重ねてきた相手をパートナーに選び、現地の人を現地法人のトップにする。現地スタッフのマネジメントができるのは、現地の人だと考えているからです。その上でトップ同士が信頼関係を築けば、安心して任せられます」

また、信頼関係を維持するには、日ごろからのコミュニケーションが欠かせない。同社では大森社長を含めた経営層が、現地法人の株主総会に必ず顔を出す。集中する時期は、2ヵ月間で5カ国を回ることにもなるが、日程を確保する。
「現地に行って経営陣と話をして、一緒に食事をして交流を深めることは重要ですね」

今後の課題は、グローバルネットワークの活用だ。これまでは日本からの干渉を控え、それぞれ拠点ごと自由に成長を目指すスタイルが効果をあげてきた。しかし、さらなる成長にはグループ全体での統合的な戦略の必要性が出てきたと感じており、利益処分や再投資の方法などのルール化も検討する予定だ。

なお、新たな市場としてアフリカを注目しているが、日本から直接投資するつもりはない。
「インドあるいはヨーロッパの現地法人から投資する方法を考えています」

地理的に有利であるし、とくにヨーロッパは古くからアフリカと関係が深い。同様に各地の現地法人が積極的に投資を行い、孫会社を増やしていく。
現在はグループ全体の売上のうち、国内が3分の2を占めるが、海外の売上を増やし50対50にするのが目標だ。

大森機械工業3つの戦略

社員自ら赴任地と目標を決める、「現場主義」と「自主管理」を貫く

中東やアフリカなど、日本企業が行きたがらない地域にあえて特化して、ビジネスを展開するのが、株式会社太知ホールディングスである。
その基礎は、先代社長で創業者の牧野正氏が築いた。単身で現地に乗り込み、取引先を開拓し、今では、90名を超える社員を抱え、売上は210億円に達している。

ここまで発展できた背景には、明確なビジョンがある。現在、代表取締役社長を務める川村修三氏は、こう語る。
「弊社は、『サムシング・ユニーク』を社是としています」
それは、“ユニークな地域でユニークなやり方で一番になろう”というビジョンにつながり、中東・アフリカを専門にしてナンバーワン商社を目指すことになったのだ。

川村修三社長

川村修三社長

株式会社太知ホールディングス
主な事業内容:
中東・アフリカを中心とした空調事業、医療事業、車両事業、印刷事業など
本社所在地:
東京都千代田区
社長:
川村修三
創業:
1973年11月
従業員数:
98名

ユニークとは何か。
「直訳すれば、唯一無二となりますが、弊社では『落差』と理解しています」
落差があるところを狙えば、競争しなくても勝てる。中東・アフリカを選んだのも「誰も行こうとしない」という落差があったからだ。

中東・アフリカで売るには、製品のブランド力よりも大事なものがある。“ユニークな地域”であるだけに、独特の商習慣があるのだ。
たとえば、中東では、個人対個人が基本。決裁権を持っていなければ相手にしてくれず、会うことすら難しい。そこで同社が取り入れたのは、「現場主義」と「自主管理」だ。

同社では社員が自分で赴任地を選び、目標を立てる。
「まずは行きたい場所を自分で決めて、現地のマーケットを分析し目標を立てます。その上で本社にうかがいを立てるのです」
目標が低ければ本社が修正を促すこともあるが、ゴーサインが出ればその瞬間から、現地のゼネラルマネジャーとなる。

入社間もない社員であっても現地に赴任した途端、ゼネラルマネジャーの肩書で決裁権を持つ。自らの判断で契約書にサインをするのだ。
取引相手はレバノン人やリビア人などさまざまだが、一定の成功を収めた人物ばかり。赴任したばかりの若手社員がどんなに頑張っても、未熟さは見抜かれてしまう。
それでも一生懸命やっていると「わかった、契約するよ」と言ってくれる。そんな人間関係が成り立つのが中東なのだ。

川村氏自身も同じ経験をしている。1978年当時、政府が家電などを一括買い付けして企業や個人に配給をはじめたリビアで、コストと品質のバランスに優れる日本製のよさと自分を売り込んだところ、1回の契約で、その後の半年分にあたる利益が十分に賄えた。その後、イラクにも取引を拡大したという。

イラク人の家に招待された川村社長

コミュニケーションを図るには家族ぐるみの付き合いも重要。写真はヨルダンに住むイラク人の家に招待された川村社長。

その秘訣は何だろうか。
「アラブ人は、人対人で仲良くならない限り信用しないのです」
注文は、対面での交渉で決まることがほとんど。だからこそ、現地駐在の意味がある。1年間、絶えずコミュニケーションを深めているからこそ、結果が出るのだ。

「日本の3日は、リビアの3カ月といわれます。中東は時の流れが違うことを理解しなければ商売はできません」
3日でできることを3カ月かけて進めるには、心と心のつながりが大事になる。現場に張り付いて現地の人たちとともに楽しみ、ともに怒ることで信頼を勝ち得てこそ商売につながるのだ。長い年月をかけて人間関係を築いてきた同社は、アラブ人とのコネクションは日本一と評価されている。

最近は中南米が好きな人材が入社したこともあり、そこにもビジネスを広げている。ネーティブでスペイン語を話す社員も6名ほど入社したという。
その地域に興味を持てなければ、その地域のビジネスの勉強にも身が入らない。そのため、興味を持つ人にその地域の担当をさせる。人を中心に商売を考える姿勢=人間尊重主義こそが、当社がここまで発展してきた理由だろう。

太知ホールディングス3つの戦略

アポなしでシリコンバレー訪問。行動力が中小企業の未来を拓く

ワイヤレス給電に強みを持つ株式会社ビー・アンド・プラスは、2010年に初の海外拠点となるUSA支店(ケンタッキー州)を開設した。
現地でのきめ細かいサポート提供を考えると、そのエリアに支店がある意味は大きい。ただ、中小企業にとって海外拠点を持つのは負担が大きいのも事実だ。

代表取締役社長の亀田篤志氏はこう振り返る。
「拠点があれば現地とコミュニケーションが深まると考えましたが、実際は、現地日本人との交流が多くなり、日本にいるのとあまり変わらない面がありました。であれば、顧客を満足させる方法を考えたほうがいいのではと思ったのです」

亀田篤志社長

亀田篤志社長

株式会社ビー・アンド・プラス
主な事業内容:
ワイヤレス給電システムやセンサなどの製造・販売
本社所在地:
埼玉県比企郡
社長:
亀田篤志
創業:
1980年9月
従業員数:
91名

そこで同社は、2012年にカリフォルニア州に一部機能を移し、ケンタッキー州の支店を閉じる。
既存顧客はケンタッキー州やオハイオ州にいるが、スカイプやメールなどを利用して遠隔コミュニケーションで対応する。
アメリカは広いため、「当日に駆け付ける」文化はない。実際に会うことよりも、どれだけレスポンスを速くするかを重視されるのだ。
そのため、日本にいても、顧客からのメールなどに素早く対応さえすれば問題は起きない。実際にアメリカの顧客にヒアリングをしてみても、現地にある会社よりもレスポンスが早い同社の満足度が高いことがわかった。

「そこで気づいたのは、物理的に近くにいるかどうかよりも、お客様とどう接するかが大切であることです」

同社はこの経験を経て、海外拠点を増やさず、出張費を惜しまないことを決意したのだ。
本社からの出張であれば最適な技術者の派遣ができ、多くの社員が海外に触れることもできる。これは、社員の意識から国内と海外の垣根を取り払うのにいい効果をもたらしている。

また、海外の現地ニーズをつかむためには、「どれだけ積極的に動くか」が重要だと考えた亀田氏は、自ら積極的に売り込むようになる。シリコンバレーの医療系ロボットメーカーに行ったときもそうだ。

「エンジニアリングマネジャーにメールを送りましたが、まったく反応がありません。電話してもアポが取れなかったので、アポなしで直接訪問しました。受付でエンジニアリングマネジャーの名前を告げて、何とか会わせてほしいと頼み込むと、5分だけ時間をくれることになった。持って行った商品を見てもらうと興味を持ち、5分の約束は30分の議論にまで及んだのです。さすがにその日はそれで終わりましたが、1週間後にシリコンバレーの企業から30人ほど集めてくれて、プレゼンをすることになりました。形式にとらわれていたら中小企業は海外で勝てません。失敗を恐れずにチャレンジするしかないのです」

海外の現地ニーズに応えるためには、現地代理店も大きな武器になる。同社では、代理店の特徴を見極めて付き合うようにしている。
「代理店を教育して自社の商品の営業活動まで任せるのは難しい面もあります。まずは販売チャネルの開拓を依頼して、自主的に動いてくれるところには営業まで任せますが、期待できなければ、営業活動は自分たちで行います」

展示会も積極的に活用する。展示会には通常、①ブランド力の向上、②商談、③新たな顧客との出会い、などを目的に出展する。
同社はこのうち「出会いの場」としての役割に絞っている。
「会場で話ができる範囲は限られますので、後日時間をもらってしっかり話ができるような出会いを確保する機会にするのがいいと判断しました」
会場では5分ほどの時間で製品の基本機能を紹介し、相手がどんなことに困っているかをヒアリングする。その上で同社の製品が役立つかを見極めて、後日アプローチをする。出展目的を明確にすることで集客効果は格段に上がった。

アメリカの展示

展示会はブースにお金をかけるよりも、いかに目立って人を集めるかが重要。写真はアメリカの展示会。

また、展示会で集客効果を高めるために、自社製品の特長が一目でわかり、足を止めてもらえるような工夫をしている。
「たとえば『ワイヤレス給電でナンバーワンを目指す会社』などと大きく書いたりしています。ナンバーワンという言葉には多くの人が興味を持ってくれますね。1秒でも立ち止まってくれたら、しめたものです(笑)。製品を見れば興味を持ってもらえる自信はありますから」

同社と同じ展示会に出展していた日本の企業が、販促物に用意していた扇子が余ったからと言って分けてくれた。これ幸いと亀田氏は頭に扇子をつけて集客をしたという。広い会場では目立ったもの勝ちだ。展示会は6日間だった。初日は50枚ほどしか集まらなかった名刺は、最終日が近づくころに1日で150枚ほどになっていた。
強い意志と積極的な行動があれば、中小企業にも無限のチャンスが広がる。同社の取り組みがそれを証明している。

ビー・アンド・プラス3つの戦略

販売パートナーを効果的に活用する3つのステップ

販売パートナーにはディストリビューターとセールスレップがある

大澤さんの話をもとに編集部作成

ここまで、海外市場を切り拓くことに成功した企業4社の展開を見てきた。ただ、海外市場における販路を持っていない中小企業は、今後、どのようなステップを踏めばよいのだろうか。
多くの企業の海外進出を支援してきたピンポイント・マーケティング・ジャパン代表の大澤 裕 氏は、こう指摘する。

「現地のマーケットに食い込んでいる“販売パートナー”の協力を得るのが近道ですね。その種類には大きく分けて“ディストリビューター”と“セールスレップ”の2つがあります。両者の違いは製品の所有権を持つかどうかになります」

ディストリビューターはメーカーから製品を買い取り、それをエンドユーザーに再販する。これに対してセールスレップは、メーカーから製品を買い取るのではなく、販売代理をして、売れたら一定の成功報酬を受け取ることになる。

「どちらが向いているかは、製品やサービスによって変わります。標準品であればディストリビューターがいいでしょうし、特注品であればセールスレップが向いているかもしれません」
また、価格をコントロールしたいならセールスレップ、そうでなければディストリビューターという考え方もあるだろう。
では、販売パートナーを探し、効果的に活用するにはどうすればいいのか。大澤氏によると3つのステップがあるという。

ステップ1は、販売パートナーになる会社の候補を探すこと。
そのためには、まずは現地の業界団体にコンタクトを取り、登録しているディストリビューターやセールスレップなどの販売パートナー候補リストをもらう方法がある。また、現地の展示会に出展して、ブースに「ディストリビューター募集」「セールスレップ募集」と掲示しておけば、効率よく交渉相手を探すことができるという。

ステップ2は、候補を絞り、その会社を訪問して相手の実力を見極めること。
「すごくやる気があるように見えても、本気かどうかわかりません」
実際に訪問してみれば、相手がどんな製品を扱っているのか、どこのメーカーと取引が多いかなど、さまざまな情報を得ることもできる。面談では相手の会社に出向き、どんな販路を持っているのか、どんな方法で売り込むのかなどを確認する。3~5社にヒアリングをすると、ディストリビューターとセールスレップのどちらがいいかが自然と見えてくるという。

また、販売パートナーを決めたら書面で契約を結ぶ必要があるが、その折り、解除条項を明確にしておいた方がいいという。販売パートナーが機能しなかった場合は、契約を解除して別の販売パートナーに依頼することになるだろうし、製品が予想以上に売れた場合は、もっと力のある販売パートナーがアプローチしてくるかもしれないからだ。

ステップ3は、契約書を交わした有能な販売パートナーは徹底的にサポートすること。
販売パートナーと動き出しても、それだけで売れるわけではない。そのためには、販売パートナーをしっかりサポートする必要がある。

「日本の中小企業が、カタログだけ渡して売ってもらおうとするケースをよく見ますが、それだけでは難しいでしょう」
販売パートナーがエンドユーザーに会ったときに、カタログと同じ内容を話しても、興味は持ってもらえない。
だからこそメーカーは、その製品を採用している企業名などカタログに掲載できなかった情報を積極的に提供する必要がある。
それでも契約がとれない場合には、販売パートナーと一緒にエンドユーザーを訪問し、メーカーの立場で直接製品の特長を紹介するのも販売パートナーの理解も深まり有効だという。

中小企業が海外市場への進出を目指す場合は、成功企業4社の展開や、大澤 裕 氏がアドバイスする3つのステップを参考にしていきたい。

機関紙そだとう199号記事を要約

© Tokyo Small and Medium Business Investment & Consultation Co.,Ltd. All Rights Reserved.