SBIC東京中小企業投資育成株式会社

仕事内容
企業の資本政策を支援し、
新たな可能性を引き出す提案が
投資先企業の未来を広げる

Phase01

最初の面談で経営課題の核心にふれる

その情報は、山梨県甲府市を本拠地とする企業のメインバンクを通じてもたらされたものだった。現社長が一代で築き上げたというその会社は創業以来、女性アパレル商品の製造・販売を営んできた。全国の百貨店への販路を持ち、主力商品の一部は、全国的に高いシェアを誇っている。しかし、まだ現役とはいえ、社長も高齢となり、その後継体制をいかに構築していくかが、今後、事業を永続していくための大きな課題となっていた。
東京中小企業投資育成(以下、投資育成会社)として、この課題解決のための有効な施策を、資本政策と合わせて提案できないかという依頼だった。

この情報を受けた清村は、企業情報データベースにアクセスし、その企業の事業内容、業績の推移などをチェックし、役員や株主の構成などから、どのような提案が可能なのかを大まかにイメージしていく。あわせて、出資先としてふさわしい企業であるかどうかを判断するために、訪問時に確認すべき点をあらかじめ想定しておくことも重要だ。企業情報の収集と事前の分析を行い、初回の訪問に臨むことになる。

「上司と同行した最初の訪問では、投資育成会社として提供できるサービスについて、その概要を具体的な投資事例などを交えて紹介した上で、企業が抱える経営課題についてのヒアリングを進めていきました。事前に寄せられた情報をひとつひとつ確認しながら、後継体制への移行に伴う課題をどう認識し、その将来をどう構想しているのかを、社長自身の言葉で語っていただけたことで、あらかじめ想定していたスキームの提案が有効であることが確認できました。そこで、その方向性を示しつつ、詳細提案の機会をいただくに至りました」

甲府駅からの帰途、清村は、暮れゆく車窓の風景を眺めながら、その日の社長の言葉やその表情を思い出し、確かな手応えを感じていた。一般に、後継体制の構築という喫緊の課題を抱えていたとしても、外部の資本を受け入れると聞くと、そのことへの抵抗感から、その先のステップへと進むことを躊躇するケースが多いのだ。時には、その一歩を踏み出すために数年の歳月を費やすことさえある。しかし「今回、増資と合わせて経営承継のスキームを提示したときにも、そのような葛藤は窺えず、むしろ関心を示してくれたという実感が持てました」。清村が言うように、社長の言葉には、自ら立ち上げた事業によって地場産業を支え、地域経済に貢献してきたという誇りと、その灯を自分の代で消してはならないという強い想いが感じられた。その想いに応えるべく、清村は提案書をまとめ、再度、甲府を訪ねた。その後もフォローを続け、その年末には「この提案の通りに進めてほしい」という社長の回答を得ることになる。メインバンクから情報が寄せられてから、わずか1ヵ月が経過したばかりのことだった。

投資が実行されるまでの流れ

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