「Jグランツ」のご紹介
はじめに
読者の皆様は、国や自治体が行う補助金などの申請手続きが不便だと思ったことはないでしょうか。これまでの多くの補助金申請は紙での手続きが主で、大量に記入をしたり郵送したりと時間も手間もコストもかかり、補助金を利用したい事業者が気軽に申請できる環境ではありませんでした。
このような中、政府は「デジタル・ガバメント実行計画」を昨年12月に改定し、行政サービスにおける電子化やオンライン化を推し進めています。そこで今回は、この取り組みの一つである、企業等の補助金申請手続きを効率化するシステム「Jグランツ」についてご紹介します。
Jグランツの概要
の内数に含まれます。
●(※)を付した補助金については 、 既存システムとJグランツとを組み合わ
せて利用。今後、Jグランツの機能拡充を通じて、Jグランツに統合予定。
Jグランツは、補助金申請手続きを電子化し、ネットでの申請を可能としたシステムです。これにより、企業向け補助金などの申請手続きがオンラインで完結できるようになりました。
経済産業省の補助金では、2019年度補正、2020年度当初予算で27補助金が対象となります(図1)。
例えば、「小規模事業者持続化補助金(通称:持続化補助金)」や「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)」などがこれに含まれています。
なお、対象となる補助事業は、経済産業省の補助金だけではなく、各省や自治体の補助金にも随時拡大していく予定です。
Jグランツのメリット
Jグランツでの補助金申請には、「いつでも・どこでも申請が可能」や「交通費・郵送費等のコスト削減」、法人情報や過去の申請情報の自動転記による「入力の手間の削減」、ログイン時の認証機能による「書類への押印が不要」になるなどのメリットがあります。
例えば、郵送を含めて4日程度かかっていた申請手続きが、Jグランツなら数時間で終えられます。また、初回の補助金申請時に入力した基本情報がサイト上に記憶されるため、2回目以降は入力し直す手間が削減されます。その他にも、Jグランツ上でリアルタイムに申請状況や処理状況が把握できるため、手続きを迅速に行うことも可能となります。
補助金申請の流れ
Jグランツでの補助金申請の流れは図2のとおりです。大きく3段階に分けて説明します。
「公募申請」では、まず自社に合った補助金情報を探して公募申請をし、採択された場合は交付申請をします。なお、Jグランツを利用する際には、「GビズID※」のうち「gBizIDプライム」のアカウントが必要となりますので、事前に取得しておいてください。申請から取得まで2〜3週間かかるため、余裕を持った申請をお勧めします。
※GビズID(gBizIDプライム)とは、一つのアカウントで複数の行政サービスを利用できる認証システム。
次に、「交付通知受取・事業開始」では、交付決定後の事業実施の際に行う各種手続きを本システム上で行います。
最後に、「事業完了・事業完了後」では、実績報告や精算払請求などの各種手続きを本システム上で行います。
各段階において、必要事項入力の自動転記や押印の省略など、負担軽減が図られています。
おわりに
ビジネスサポート部 部長代理
(2020年3月末まで、中小企業庁に出向)
これからの時期は、様々な補助金の公募が開始されるかと思います。読者の皆様には、本システムの利用も含めて、補助金の申請手続き等を効率的に行い、さらなる企業の発展につなげていただければ幸いです。
お問い合わせ先
Jグランツ ホームページ
https://jgrants.go.jp/
経済産業省問い合わせ窓口
jgrants@meti.go.jp
GビズID ヘルプデスク
Tel. 06-6225-7877(平日9:00〜17:00)
機関誌そだとう203号記事から転載