省力化投資を後押しする施策の紹介
前回、経済産業省のWEBサイトにて公表された「経済産業省関係令和5年度補正予算の概要」の中から、設備投資時の活用が想定される事業を紹介しました。今回は、その中から「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」を中心に、具体的な情報を交えてご紹介します。
大規模投資に対応した補助金
経済産業省は、令和5年度補正予算「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金(中堅・中小成長投資補助金)」の公募を2024年3月6日に開始しました【図1・図2】。
同補助金は、中堅・中小企業が持続的な賃上げを目的として、足元の人手不足に対応した省力化等による労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行う「工場等の拠点新設」や「大規模な設備投資」に対して補助を行うものです。
「大規模成長投資補助金」という名の通り、補助事業の要件として「投資額10億円以上」が挙げられているほか、補助上限額も「50億円(補助率1/3以内)」と大規模なものになっていることが特徴です。「賃上げ要件」の設定があり、申請時に基準率以上の目標を掲げ、その目標を従業員等に表明の上、達成することが要件となる点には留意が必要ですが、大規模な設備投資計画がある企業には有効な支援策になると考えられます。
省力化投資を後押しする事業
一方で、省力化投資に関心はあっても、同補助金の補助要件である「投資額10億円以上」に該当する中小企業は決して多くないでしょう。そのような場合は、前回紹介した「中小企業省力化投資補助制度事業」の活用を検討してみてはいかがでしょうか【図3】。
同制度は、2024年3月8日時点では公募は開始しておらず、公募開始時期や公募要領も明らかになっていません。しかし、中小企業庁から工業会等の業界団体に対して、「カタログ」に掲載する製品の種類の意見照会が開始された(同年2月9日)ほか、同事業を実施する事務局も決定している(同年3月5日)など、公募開始に向けた準備が進められています。詳細情報については中小企業庁のHPなどでご確認いただけますと幸いです。
東京中小企業投資育成では、中堅・中小企業支援策の情報提供や使い方に関する助言などをさせていただいております。投資先企業で中堅・中小企業支援策にご関心がある方は、担当者もしくはビジネスサポート部までお気軽にご相談ください。
【出典】
・経済産業省関係令和5年度補正予算の概要
https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2023/hosei/pdf/01.pdf
・経済産業省関係令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)
https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2023/hosei/pdf/pr.pdf
・中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金概要資料
https://seichotoushi-hojo.jp/assets/pdf/about.pdf
・中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金リーフレット
https://seichotoushi-hojo.jp/assets/pdf/leaf.pdf
・中小企業省力化投資補助事業の製品カテゴリについて
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/gijut/2024/240209shoryokuka_kobo.html
・令和5年度補正予算「中小企業省力化投資補助事業」に係る事務局の公募について
https://www.smrj.go.jp/procurement/solicitation/aihbak0000000wfp.html
※本稿は2024年3月8日時点の公表情報をもとに作成しています。記載した内容については、今後変更される可能性がありますのでご留意ください。
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機関誌そだとう218号記事から転載