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事業承継にも役立つ!公正証書遺言の作り方とメリット・デメリット

現在の経営者が亡くなって相続で事業承継をする場合は、相続人全員に亡くなった経営者の意向を伝え、後継者に対して確実に、株式を相続する必要があります。
事業の存続に関わることですので、現経営者が確認したいところですが、相続発生後の状況を自分の目で見届けることは、残念ながらできません。そこで、亡くなる前に自分の意向をしたためた遺言書を用意しておくことになります。

遺言書には自筆で作成する「自筆証書遺言」と、公証人が作成する「公正証書遺言」があります。公正証書遺言は、自筆証書遺言よりも確実性が高く、紛失や隠匿のおそれもないため、事業承継でおすすめしたい遺言書の形式です。
ここでは、事業承継に役立つ公正証書遺言のメリットや作成方法についてまとめました。

公正証書遺言とは?

公正証書遺言は、公証人が遺言内容を筆記して作成する遺言書のことです。

「遺言書」というと、本人が手書きで内容を書き記した手紙のようなものを思い浮かべる方も多いかもしれません。このような遺言書は自筆証書遺言といい、きちんと形式に則って作成すれば、法的な効力があります。

しかし、自分自身で作成することから、形式不備による無効と判断されてしまう可能性もあるのが自筆証書遺言の難点です。一方、公正証書遺言は、証人が立ち会った上で、公証人が筆記しますから、形式不備のリスクがほぼありません。

相続による事業承継を滞りなく行うためには、遺言が確実に執行される必要があります。確実性の高い公正証書遺言を利用しましょう。

公正証書遺言の3つのメリット

公正証書遺言を利用する際の、3つのメリットをご紹介します。
事業承継において、公正証書遺言を利用すべき理由を知っておきましょう。

紛失・隠匿・偽造のおそれがない

公証人が筆記した公正証書遺言は、原本を公証役場に保管します。
そのため、せっかく作成した遺言書を紛失してしまったり、遺言内容に不満を持つ相続人や親族が隠してしまったりするおそれがありません。
また、作成は公証役場で行うため、偽造されるリスクもほぼなく、公証役場に原本が保管されるということは、後から文言を書き足されて内容が改ざんされる心配がないということです。

無効になるおそれが少ない

遺言書は、形式や内容に不備があると、予定どおりの効力を発揮できない場合があります。
例えば、自筆証書遺言を作成しようとして、本文はパソコンで作成して署名だけ自分が行った、捺印を忘れた、「株式は長男に」など、対象となる財産や数量が不明瞭な内容にしてしまった場合、法的効力のある形式に則っていないとみなされ、遺言書として無効になる可能性があります。
公正証書遺言なら、法律の専門家である公証人が代筆することから、問題のない形式で遺言を遺すことができます。そのため、相続発生時には確実に遺言の内容が執行されます。

家庭裁判所による検認手続きが不要

自筆証書遺言は、相続発生後、保管者や発見者が遅滞なく家庭裁判所に届け出て検認を受けなければならないと定められています。申し立てには、遺言者の出生から死亡時までのすべての戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本など、複数の書類が必要で、手続きには手間と時間がかかります。
一方、公正証書遺言は、作成時に公証役場で公証人が確認していることから、検認手続きをする必要がありません。

公正証書遺言の3つのデメリット

確実性が高く、メリットの大きい公正証書遺言ですが、デメリットについても理解しておきましょう。
実際に作成する際は、下記のデメリットを把握してご準備ください。

作成までに時間がかかる

公正証書遺言は、公証役場に行きさえすればすぐに作れるというものではありません。作成するためには、事前の準備が必要です。
具体的な遺言内容を決めてから遺言書ができ上がるまでに、場合によっては1ヵ月以上かかることもありますから、早めに準備を始めましょう。
必要な書類をそろえたり、場合によっては専門家と遺言内容を相談したりする時間も必要です。なお、必要書類の取得までを、一括して専門家に依頼することもできます。

手数料がかかる

公正証書遺言を作成するのにかかる費用は、相続財産の額や、遺言の原案作成を司法書士や弁護士、行政書士などの専門家に代理人として依頼するかどうかといった条件によって変わります。
公証人への手数料は、公証人手数料令で相続財産の価額に応じて定められています。ここに、専門家への報酬や各種必要書類を取り寄せるための費用などが別途必要になる場合があるのです。
これらの費用は会社の経費にはできませんから、個人で支出することになります。

証人が2人以上必要

公正証書遺言を作成する際は、2人以上の証人の立ち会いが必要です。この証人には遺言内容を知られてしまうことになりますから、慎重に選ぶ必要があるでしょう。
なお、報酬を支払うことで、専門家などに証人になってもらうこともできます。あまり第三者に遺言内容を漏らしたくない場合や、証人を集められない場合などに検討しましょう。

公正証書遺言を作るために必要なもの

公正証書遺言を作るためには、さまざまな書類が必要です。具体的に何を用意しなければいけないのかはケースによって異なりますが、一般的にどのようなものが必要になるのか、概要を知っておきましょう。

・遺言者の実印
・遺言者の印鑑証明書
・遺言者と相続人の続柄がわかる戸籍謄本
・相続人以外の遺贈者がいる場合、その人の住民票など、住所・氏名・生年月日がわかるもの
・相続や遺贈する財産に不動産がある場合、土地・建物の登記簿謄本、固定資産評価証明書
・不動産以外の資産について財産の特定ができる資料
・証人の確認書類(証人分の住所・職業・氏名・生年月日がわかる資料)
・相続人や遺贈者以外の人が遺言執行者になる場合は、その人の住所・職業・氏名・生年月日が確認できる資料
・手数料(公証人手数料は現金または銀行振込で納付)

公正証書遺言を作る際の流れ

公正証書遺言を作る際には、まず、誰に何を相続させるのかを決める必要があります。
これについては、公証人に相談するものではありませんから、後継者や顧問税理士などとあらかじめ話し合い、どうするのか決めておきましょう。
その後は、公正証書遺言の作成に必要な書類を集め、公証役場で作成します。具体的な流れは次のとおりです。

<公正証書遺言作成の流れ>
1. 遺言の内容を決定する
2. 必要書類を集める
3. 公証役場へ行き、証人2人立ち会いのもと、作成を行う
4. 遺言者が公証人に遺言の内容を伝える
5. 公証人は、筆記した遺言内容を、遺言者と証人に読み上げる
6. 遺言者と証人がどちらも、公証人が筆記した内容に誤りがないことを承認したら署名押印をする
7. 公証人が、民法所定の方式に則って作成されたことを付記して、署名押印する
8. 公正証書遺言は原本、正本、謄本の3通作成される。遺言書の原本は公証役場に保管される。遺言者は正本と謄本を受け取って費用を支払う

公正証書遺言は修正できるのか

一度、公正証書遺言を作成した後でも、修正することは可能です。また、作成した公正証書遺言を撤回することもできます。

遺言書が複数ある場合は、最も日付が新しいものが有効であるとみなされます。
そのため、公正証書遺言を作成した後、気が変わって自筆証書遺言を作成し、その日付が公正証書遺言を作成した日よりも後であれば、相続発生後は、自筆証書遺言の内容をもとに遺産が分割されることになります。
ただし、これは自筆証書遺言が有効である場合のみです。
形式などに問題があって無効となった場合、その前に作成した遺言書どおりの分割が行われます。そのため、公正証書遺言を変更したくなったときは、コストと労力はかかりますが、再度公正証書遺言を作り直すようにしましょう。

遺言書の確実性を高めるなら公正証書遺言を作成しよう

公正証書遺言には、手間とコストがかかるという難点がありますが、確実に遺言を執行できるという大きなメリットがあります。
相続による事業承継を予定している場合は、後継者が確実に株式を相続できるよう、公正証書遺言を作成しておきましょう。ただし、公正証書遺言の作成にはそれなりに時間がかかりますし、そもそも相続の内容について十分に検討する時間が必要です。現経営者が元気なうちから、相続人と将来を見据えた協議を進めておきましょう。
東京中小企業投資育成株式会社では、事業承継に関するご相談も随時受けつけていますので、いつでもお気軽にお問い合わせください。

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