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“研ぎ師”となり、社員の強みを磨き上げる
杜の都・仙台の名物は?と聞かれて「笹かまぼこ」と答える人は多いだろう。かつて「手のひらかまぼこ」や「ベロかまぼこ」など、さまざまな名称で呼ばれていたこのかまぼこを、仙台名産「笹かまぼこ」と命名したのは、阿部蒲鉾店の創業者・阿部秀雄氏である。宮城県を代表する武将・伊達政宗(伊達家)の家紋「竹に雀」にちなんで名付けられ、今では贈答品に普段の食卓にと、なじみ深いご当地食品として地元民から愛されている。
仙台に数ある笹かまぼこ店の中で、老舗ナンバーワンの阿部蒲鉾店は、高い技術と厳選した素材で、どこにも負けない、おいしいかまぼこづくりを続けてきた。メインの原料であるスケソウダラをはじめ、鯛、吉次など、産地を問わず多くを試してお眼鏡にかなったものだけを使う。鮮度の良いすり身を、職人の繊細な感覚を生かして練り上げることで、弾力や白さが際立った笹かまぼこが出来上がる。
2015年、創業80周年を記念して誕生したのが「吟撰笹」だ。原料に天然の真鯛を加えることで、魚の香りが数段アップ。かまぼこ業界ではかみ応えがあることを「あしがある」と言うが、原料・水分量の配合と厚みを工夫し、あしのある、食感豊かな笹かまぼこに仕上げた。ちょっとだけあぶり、表面をカリッとさせて食べてみよう。より一層、香りがたってプレミア感を味わえる。わさびを添えるのは、社長おすすめの食べ方だ。
高たんぱく、低脂質で、アミノ酸が豊富。今、健康食品として見直されている伝統食品の次なるフェーズに期待が膨らむ。
機関誌そだとう217号記事から転載
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