軍事用語から経済用語に変わったVUCA。
突如、訪れる社会を揺るがす事態に、
自らで考え、行動しなければならない

東京中小企業投資育成株式会社
代表取締役社長
安藤 久佳

 

新年明けましておめでとうございます。
皆様におかれましては、お健やかに新たな年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。

新しい年が始まりました。新型コロナウイルスに振り回されたこの4年近くでしたが、ようやく落ち着きを取り戻し、普段の日常に近い日々をお過ごしのことと思います。

他方で、ロシアによるウクライナへの侵攻とその後の戦況は終息の兆しもなく、悲惨な戦いは2年近くも続いております。世界の目がウクライナに集中している最中に、今度は中東においてハマスのイスラエルへの奇襲攻撃を契機に大規模な軍事衝突が始まりました。この原稿をしたためている段階では、人質の一部解放と戦闘の一時休止が行われましたが、再度、戦闘が再開されたとの報道に接したところです。

世界はまさに、予測不能の不安定な時代に突入した感があります。エネルギー価格の上昇、原材料価格の高騰、さらには中国経済の減速が懸念される中での、戦況の拡大に伴う世界経済全体への悪影響など、さまざまな局面、事態を通じて皆様の日々の経営、そして将来への事業展開にも少なからざる影響を与えていることと思います。

こうした中において、それぞれの企業を切り盛りし、従業員の生活をしっかり維持し、新たな仕事を獲得する、経営者の皆様は大変なご苦労の毎日と思います。私ども東京中小企業投資育成は、そうした皆様の、少しでもお役に立てるよう引き続き全力で頑張る覚悟です。

東京、大阪、名古屋、3社の中小企業投資育成は、昨年創立60周年を迎えさせていただきました。これもひとえに投資先の中小企業の皆様、株主の皆様、関係機関の皆様など、多くの方々の長年のご支援の賜物であり、この場をお借りしてあらためて厚く御礼申し上げます。

60年は人でいえば、還暦であります。気は若くても、いろいろと、がたがきかねません。投資先の皆様にとって本当にお役に立っているか、惰性に流されて安住していないか、良き相談相手、そして頼りになるパートナーであり続けるために何を変えなければいけないか……。還暦を過ぎた年の初めにあたり、あらためてしっかりと考えさせていただきます。

内外の情勢はまさに大きく動いており、そうした中で少しでもお役に立つためには、私どもの能力をより高めなければいけません。相談しがいのある東京中小企業投資育成になるための研鑽をより積みたいと思います。一方で私どもの社員も若返っており、会長さん社長さんとのご面識が薄くなりつつあるとのお話もいただきます。ぜひ、少しのお時間をいただき、担当者をご指導いただければ幸いであります。

投資育成3社の投資先の皆様の売上高は、総額20兆円を超えます。連結ベースでトヨタ自動車、三菱商事に次ぐ、日本で3番目の企業グループといえるでしょう。3000社におよぶ、この大きなネットワークを皆様方、一社一社の発展なり新たな展開に現実のものとして活かしていくべきと思っております。ビジネスマッチングの成功例をより多く生み出すための方策、さらには中小企業の体力を高めるためのグループ化の可能性、こういったことを、この3000社のネットワークを中心に考えてみたいと思います。それぞれの業態、業種や地域における優良企業である皆様方は、こうした方策や可能性の中で中心的な役割を担っていただけるものと期待しております。

今年の干支は「甲辰」です。辰は「ふるう、ととのう」を意味する「振」であり、陽気が動いて万物が振動し、草木もよく成長して形がととのった状態を表すと物の本にありました。一方、過去では戊辰戦争(1868年)、日露戦争(1904年)が辰年に起きています。戦後6回の辰年のうち衆議院議員総選挙が4回も行われています。ロッキード事件やリクルート事件も辰年です。歴史、政治の大きな変化のある年かもしれません。

もちろん、竜は隆盛の象徴であり、中国では皇帝のシンボルでもありました。皆様のお仕事が、「竜の水を得る如く」ますます発展することをご期待いたします。

そして、世界に平和が戻ることを、ご一緒にお祈りしたいと思います。

 

機関誌そだとう217号記事から転載

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