SBIC東京中小企業投資育成株式会社

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支援事例

気軽に相談できる身近なパートナー投資育成

株式会社松浦製作所

東京中小企業投資育成(代表取締役社長 望月晴文)は、中小企業投資育成株式会社法に基づき、中小企業の自己資本の充実を促進し、健全な成長発展を図ることを目的に、投資業務および経営相談やビジネスマッチングなどの育成業務を行っている。同社の活動を交え、それぞれの成長ステージで直面する課題を乗り越えてきた「元気な中小企業」 の活躍ぶりに迫る。

「製造業=サービス業」をモットーに、人財力、技術力、管理力で勝ち残る

ATMから航空機内装品まで幅広い板金加工に対応

新潟県新発田市内の松浦地区で、渡邉佐久二前社長(現相談役)が1978年に同社を創業。「会社は個人のものではなく公器である」との信念から、社名を渡邉製作所ではなく松浦製作所とした。
新潟県内で早くから精密板金に取り組み、同社が部品製作を手がけた発券機が全国的に普及したことを足がかりに、取引先のメーカーと二人三脚で技術開発を行い成長を遂げた。 銀行ATMや両替機などの金融端末機器が売上全体の7割を占め、航空機内装品が2割、医療機器が1割。
主力の金融端末機器関係では、銀行ATMなどの紙幣搬送部の部品や装置内部に設置されている金庫を製作している。紙幣搬送部とは、紙幣を受け入れて装置内部の金庫に送り、さらに金庫から支払口へと環流させる重要な部分だ。
「紙幣搬送部にわずかな傷や膨らみがあっても、紙幣が引っかかってしまうので、板金加工にはとても気を遣います」と同社の永岡繁樹社長は語る。 確かな技術が認められ、同社は医療機器分野にも進出し、人工心肺装置などの部品も手がけるようになった。最近伸びているのはボーイング社やエアバス社向け航空機内装品で、ラバトリー用ダストボックスに加え、厨房設備用のカウンターなどを納入している。

積極的な設備投資で精度と生産効率を向上

積極的に設備投資を行い、
加工精度と生産効率の向上に務めている

さまざまな板金加工にワンストップで対応できることが同社の強み。板金に穴を空けたり切断を行うパンチングのほかにレーザー加工も可能なパンチ・レーザー複合マシン、板金を任意の形状に打ち抜くNC(数値制御)タレットパンチプレス、多関節ロボットが素材搬入や材料のハンドリングから製品の搬出までを行う全自動曲げ加工システムを始め、最新鋭の工作機械を多数所有。ブランク(外形抜き加工)工程にも全自動マシンを導入し、24時間の連続自動運転ができる体制を整えている。
板金加工ネットワークシステムも導入し、事務所で作成した加工データをネットワーク経由で工場内の工作機械に受け渡し、よりスピーディーな加工を可能にした。
こうした設備投資に積極的に取り組むことで、同社は板金加工の精度と生産効率のさらなる向上に努めている。「寸法精度に関しては、他社に負けない自信があります」と難波俊雄常務取締役。「複雑形状の加工も得意です。少々オーバーないい方かもしれませんが、曲げられないものはありません」と永岡社長も自信を込めて語る。

気軽に相談できる身近なパートナー投資育成

同社は2007年1月に、東京中小企業投資育成(以下、投資育成)の資本参加を受けた。資本増強による経営の安定化に加え、第三者として中立な立場にある外部株主から出資を受けることで、開かれた会社作りを進めていこうという目的もあった。
投資育成は松浦製作所にとって、経営の自主性を尊重する長期安定株主であると同時に、気軽に相談できる身近なパートナーでもある。
「特定のテーマについて問い合わせをするというより、何か思いついたときに担当者にパソコンや携帯でメールを送るなど、普段から切れ目なくやり取りをしています」と永岡社長。 やり取りの内容は、資本政策の話から「出先でこんな人に会った」といった情報に至るまで幅広い。あるとき永岡社長が「社内の仕組みをもっとよくしたい」と投資育成の担当者にメールを送ったところ、「具体的なアドバイスに加え、社内の仕組み作りについて社員によるボトムアップ型の研修を実施している専門家がいるので、お話を聞いてみてはいかがですか」と即座に回答があった。
「私の漠然とした問いかけを1つ1つ整理し、こうしたらいいのではないかとアドバイスをいただいています。何よりもありがたいのは、社員を尊重してボトムアップで仕組みづくりをしていきたい、私の気持ちをきちんと理解してくれていること。こちらが投げかけた質問には必ず120%の答えが返ってきますね」と永岡社長はいう。

社員と家族の幸せを社業を通じて実現する

同社の従業員は78名で、平均年齢は38歳。「頭の固い人は伸び代が少ない。だから何でも受け入れることができる素直さと、柔らかい気持ちを持つ人財を育てる」というのが同社の人材育成のモットー。社員のマーケットバリューを高め、「人財」として社外から評価されるような教育を行い「働く人たちに選ばれる会社」になることを目指す。
今後は主力の金融端末に加え、航空機内装品の需要を着実に取り込み、盤石な2本目の事業の柱になるよう育てていく。また、2020年の東京オリンピック開催に向けて加速するとみられる社会インフラ整備事業に積極的に関わり、医療、エネルギー・環境関連事業と合わせて、主要事業の1つに成長させることが同社の目標だ。
「社業の継続で、社員と家族が物心ともに充実し、夢の実現に貢献する」、「社業の向上で、関係するすべての取引先の成長に貢献する」、「社業の発展で、地域社会へ多面的に貢献する」という同社の経営方針に揺るぎはない。

会社概要

新潟県でも早くから精密板金加工に取り組んでいる。
ATMや自動券売機を始めとする金融端末の部品が主力製品

会社名:株式会社松浦製作所

URL:http://www.matsuura-ss.jp/

所在地:〒957-0045 新潟県新発田市荒川2465

工場:新潟県新発田市(本社・荒川事業所、月岡事業所)

社員数:78人

コラム

コミュニケーションを密に情報提供と提案に心を込める

東京中小企業投資育成
業務第五部 部長代理
飯田越史氏

松浦製作所社は、機械と人に対して非常に積極的に投資を行っている企業です。そうした取り組みが評価されて、お客様からの信頼を獲得し、それがさまざまな分野での新規受注につながっているのだと思います。
永岡社長からは、普段から切れ目なく、ざっくばらんにご相談をいただいており、私は他の人と話しているときや、別の仕事をしているときでも、「この情報を永岡社長に提供してみてはどうだろうか」と思うことがあれば、それを順次ご提案するよう心がけています。
たとえば、先日訪問した投資先企業から、ある製品の調達ができなくなって困っているという話を聞き、早速、永岡社長に情報提供をさせていただきました。普段から、漠然とした形ではあってもさまざまなお問い合わせを下さっているからこそ、私も多方面にアンテナを張り巡らせながら、さまざまな情報提供や提案をさせていただけるのだと思っています。
永岡社長は人をとても大事にしている方なので、その思いを大切にしながら、同社には、より発展していってもらいたいですね。それゆえ、永岡社長から社内の仕組みづくりについてご相談いただいた際、その思いを叶えるような情報提供や提案をしなければならないと強く感じました。永岡社長が思い描くビジョンの実現に結びつくような支援を行っていきたいと思います。

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