SBIC東京中小企業投資育成株式会社

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支援事例

投資育成の助言で、従業員持株会を作りモチベーションを向上

株式会社マイクロ・テクニカ

東京中小企業投資育成(代表取締役社長 望月晴文)は、中小企業投資育成株式会社法に基づき、中小企業の自己資本の充実を促進し、健全な成長発展を図ることを目的に、投資業務および経営相談やビジネスマッチングなどの育成業務を行っている。同社の活動を交え、それぞれの成長ステージで直面する課題を乗り越えてきた「元気な中小企業」の活躍ぶりに迫る。

最先端の画像処理技術で品質を支える「画像検査ソリューション」を提供

製造ラインの画像検査システムに強み

マイクロ・テクニカは、まだ情報化社会という言葉もなかった1981年に、画像処理技術や画像検査システムの確立を目指して設立された。
製造ラインの画像検査に用いられる「ビジョンシステム(画像検査システム)」を開発・納入。なかでも独自の画像処理アルゴリズムに基づく印刷文字の品質検査に対する評価が高く、印刷、製薬、食品分野を中心に同社のビジョンシステムが広く利用されている。
印刷分野では、高速カラー印刷の濃度が適当か、汚れなどの欠陥がないかを検査する「高速カラー検査装置」、帳票やラベル、カード類の連番検査を行う「連番検証装置」、宅配伝票などの丁合(ちょうあい)確認や請求書などの照合を行う「番号照合検査装置」を手がける。
同社の売上の6割を占める製薬分野では、同社の検査装置は固形剤(錠剤)や粉剤、液剤などについて、包装工程で異物の混入などがないか、パッケージに使用期限やロット番号等がきちんと印刷されているか、あるいは錠剤に割れや欠け、汚れがないかなどを調べる検査に用いられている。
「使用期限やロット番号などは医薬品医療機器等法(旧薬事法)で表示が義務付けられているもので、検査では間違いが許されません」と葛生仁社長はいう。
食品分野では、商品を包む熱収縮性プラスチックフィルムを加熱して密着させるシュリンク包装用の検査装置、牛乳パックや飲料缶の印字検査装置、ペットボトルの外観検査装置などを納入しているほか、電子部品分野では半導体チップの外観検査装置も手がけている。
請求書や医薬品パッケージの印字などのように、1枚1枚印刷する文字が変化し、一定のパターンで処理できない「可変データ」の扱いに強く、高速処理技術にも定評がある。
「製造ラインの高速化が進むなか、たとえばお客様がこれまで分速100㍍で印刷していたものを同200㍍にスピードアップしたいというご要望があったとします。当社はハードとソフトの両方を自社で設計しているので、新しいやり方を常に模索しながら画像検査の高速化に対応し、お客様の作業がいかに楽になるかを考え、日進月歩で進化する市場ニーズにお応えできます。それが当社の強さの根底にあると思います」と葛生社長。

投資育成の助言で、従業員持株会を作りモチベーションを向上

同社は2014年6月に東京中小企業投資育成(以下、投資育成)からの出資を受けた。同社では2016年6月に葛生社長が就任し、創業者の土屋武仁代表取締役会長から経営のバトンタッチが行われたが、開かれた会社経営を目指す同社では、非同族関係者である葛生社長への経営の承継を円滑に進めるためのパートナーとしての役割を、投資育成に期待したという。
土屋会長は経営承継にあたり、経営基盤強化のために資本政策をどう進めていくかについて、投資育成に相談を持ちかけた。
「その際、株主構成を安定化させ、従業員の福利厚生を進めるために、従業員持株会を作ることを勧めていただいたと聞いています。投資育成さんには、一般的に従業員持株会とはどういうものかということから、他の投資先では持株会をどう運営しているのか、当社の現状の利益率などから見て株価はどの程度に設定するのが妥当か、ということまで、さまざまなアドバイスをいただきました。社員の皆さんには、自社株を持つことを通じて、経営への参画意識を持って働いてほしいと思います」と葛生社長は語る。

3Dソリューションで新たな市場を拓く

マイクロ・テクニカ
代表取締役社長
葛生仁氏

同社では新たな取り組みとして、5年前に3Dソリューション事業をスタートさせた。世界各国のメーカーから厳選した3Dステレオカメラや3D測定器に加え、自社製3Dスキャナ「MyScasnnerPro」や三次元計測ソフトウェアを提供しているほか、それらを組み合わせて、三次元計測や三次元位置測定を行う3Dビジョンシステムを開発し、物流関連や自動車部品市場向けに提案を行っている。
たとえば、物流パレットに載っている箱やさまざまな形状の製品を画像認識し、ロボットの「眼」の役割を果たす「デパレタイジングシステム」がその一例。また、物流分野などで少子化対策として自動化ニーズが高まっていることを受け、3Dビジョンシステムと多関節ロボットを組み合わせ、山積み状態の部品や製品から個々の部品や製品を画像認識し、ロボットでピッキング作業を行う「バラ積みピッキングシステム」も提供中。
加えて最近、医薬品や電子部品などの偽物が国内外で流通していることがニュースで報じられており、各メーカーは対策に追われている。こうしたなか同社では、ある製品が本当にそのメーカーで製造されたものかどうかを識別するセキュリティ分野のニーズが高まると予測。
そこで、たとえば製品に文字情報やバーコードを添付し、それがいつ、自社のどのプリンタで印刷されたのかなどを管理するシステムの製品開発に注力していくという。
経営理念に記されている「常に、新しいもの・ことへ挑戦する」をモットーに、新分野へのチャレンジを進める。「技術は日進月歩。やり続けるしかありません」と葛生社長は抱負を語る。

会社概要

会社名 株式会社マイクロ・テクニカ
URL http://www.microtechnica.co.jp/
所在地 〒170-0013 東京都豊島区東池袋3-12-2 山上ビル
事業所 埼玉県鶴ヶ島市、大阪府吹田市、長野県駒ヶ根市
社員数 150人

コラム

投資先が気軽に相談できる「社外総務部」を目指す

東京中小企業投資育成
業務第二部 部長代理
江場教智氏

マイクロ・テクニカ社は、さまざまな業種の製造ラインで撮影した画像を処理し、製品の検査に活用する画像検査技術が世に出る黎明期から、この分野に取り組んできたパイオニア企業です。
1981年の会社設立以来、根気よく技術を積み上げ、現在の地位を確立してきた創業者の土屋会長の先見の明に加え、同社独自の画像検査技術を実現するのに不可欠な技術者を、社内でしっかり育成されてきたことが素晴らしいと思います。
弊社では土屋会長から、経営基盤を強化するために、資本構成をどう構築すればいいのかというご相談を受け、従業員持株会の設立を提案させていただきました。
こうした資本政策から株主総会の運営の方法、採用活動がうまくいっている会社の事例、会社法の規定に従った文書保存の方法に至るまで、投資先の本業とは少し離れた部分でのお問い合わせやご相談に応える「社外総務部」をモットーに日々お付き合いさせていただいています。
マイクロ・テクニカ社では、昨年6月に葛生社長を中心とする新体制がスタートしましたが、土屋会長の「ものづくりの心」を受け継ぎ、好奇心とチャレンジ精神をより発揮し、今後の同社を支える人材を育成しながら、さらに発展を遂げていただきたいと思います。

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