SBIC東京中小企業投資育成株式会社

ご利用企業の皆様へ
支援事例

いつでも話せる身近な相談相手「投資育成」

フットマーク株式会社

フットマーク
代表取締役会長
磯部成文氏

「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である」と「中小企業憲章」に記されている。中小企業は日本の全企業数の99.7%を占め、国内雇用の約7割を創出している。同憲章にもある通り、中小企業は「常に時代の先駆けとして積極果敢に挑戦を続けてきた」が、各社がそれぞれの成長ステージで直面する課題を乗り越えるための支援が欠かせない。
こうしたなか、東京中小企業投資育成は、中小企業投資育成株式会社法に基づき、中小企業の自己資本の充実を促進し、その健全な成長発展を図ることを目的に、投資業務および経営相談やビジネスマッチングなどの育成業務を行っている。同社の活動を交え、果敢に市場を切り拓く中小企業の姿を紹介する。

まだ世にないものを作り、常に「新しい一歩」を踏み出し続ける

学校用水泳用品のトップブランド

東京都墨田区に本社を置くフットマークは、押しも押されぬ学校用水泳用品のトップブランドだ。学童向けの水着帽のシェアは約5割でスクール水着のシェアは約2割。最近では、浮く運動が苦手な児童のために浮力シートを備えた「クロールで25」などの学童向け水着から、浮力のある素材で〝快適な泳ぎ〟をサポートする「楽に泳げる水着」などの大人用の製品まで幅広く展開している。
1946年に創業した頃、同社は赤ちゃんのおむつカバーに加え、草履袋、リュックサックなどの学童用品を作っていた。おむつカバーの売れ行きが落ちる夏場には、女子児童用の海水帽子を作って売上を立てていたという。
1967年に入社した磯部成文代表取締役会長=写真=が、たまたま新聞を見ると、プール開きの記事が出ていて、そこには、文部省が小学校教育ですべての児童が泳げるようになることを目標とする学習指導要領の改訂を行ったと書かれていた。
「近くの小学校に行って先生に話を聞くと、女子児童がプールから上がるときに髪が顔にかかるのを気にしていたり、帽子をかぶっていると先生が児童たちを識別しやすく、点呼も取りやすいということでした。そこで『学年色』を考案し、学年ごとに色分けした無地の水泳帽を作り、学校に使ってもらったところ、非常に好評でした」と磯部会長は当時を振り返る。
その後、磯部会長は全国を行脚して水泳帽を普及させたほか、「濡れた水着やバスタオルを持って帰りたい」という子供たちの声に応えてスイミングバックを作ったり、スイムグラスを考案して売り出した。
フットマークが水着の製造販売を開始したのは1970年代後半。水着に関しては後発のため、大手を始めとする競合先との徹底的な差別化をはかった。「よその会社がやらないものを作りたいという意地があった」と磯部会長はいう。

「1/1の視点」から生まれるアイデア

同社は1977年に学校水泳教育に必要な水泳帽、水着、スイムグラス、タオルなどを総合的に展開し始めた。
1980年代に入り、女性たちの美容と健康に対する意識が高まるなかで、同社は「プールを泳ぐ場から運動する場へ」をキャッチコピーに水中運動の普及啓蒙を始めた。曲げたりつないだりして使える棒状の浮き具「浮きうきポール」を考案し、同商品を使った水中運動のテキストを作り、専門のインストラクターと組んでデモンストレーションを行った。いまでいう「コト作り」の先駆けである。
同社の商品作りは現場で人と触れ合うことから始まり、人が「幸せ」「健康」「笑顔」になるためのコトを作り、モノづくりに落とし込む「ヒト→コト→モノ」の流れで進んでいく。
ところが中年女性にしてみれば、美容と健康のためにプールに通いたいと思っても、百貨店に置いてある水着は若者向けがほとんどで、自分たちが気兼ねなく着られる水着がない。そうした声に応え、肌の露出が気になる人のための「水のおしゃれ着」をイメージした「アクアスーツ」も売り出した。
2002年には正しい姿勢を習慣化する身体教育ウェアの「フィールアライナ」を産学連携で開発し、スポーツインナーウェア事業を立ち上げている。
一方、フットマークは、1980年代から高齢者向けの介護用品を開発し、老人ホームや病院への販売を行っている。創業間もない頃、「大きなおむつカバーを作ってくれないか」という要望に応えたことがきっかけとなり、高齢者用のシーツやねまき、エプロンなどの介護用品に広がっていった。同分野への進出にあたり、磯部会長は介助と看護を組み合わせて「介護」という言葉を発明し、1984年に商標登録している。
同社が製品作りにおいて重視しているのが「1/1(いちぶんのいち)の視点」。リサーチのデータや数値よりもたった1人の言葉が大切で、たった1人の人の話を丁寧に謙虚に聞くことから、磨けば光るアイデアの原石が見つかると同社は考える。

いつでも話せる身近な相談相手「投資育成」

経営とは日々意思決定の連続だ。経営戦略的な事柄から日々のカイゼンに至るまで、気兼ねなく相談できる相手として、現経営陣の経営判断を尊重する株主の東京中小企業投資育成は、まさにうってつけの存在だった。
「敷居の高さをまったく感じさせないところがいいですね。社内では何かあったら投資育成さんに相談することになっています。私は株主総会の運営の仕方について相談し、2013年に就任した三瓶芳社長は、社長はじめ取締役の報酬はどう決めたらいいのかを投資育成さんに相談していました」と磯部会長は話す。
同社経営陣が東京中小企業投資育成に経営相談をもちかけるとき、「これは、投資育成さんに聞く話ではないかもしれないけれど……」と声をかけるという。

常に「新しい一歩」を踏み出し「100年企業」を目指す

フットマークには、1946年の創業当時から現在までの沿革と、現在から2046年までの未来を記した「100年年表」がある。創業100周年を迎える2046年には「売上高が100億円になる」「フットマーク健康コミュニティを建設」「世界中に笑顔があふれる」と記されている。
常に「新しい一歩」を踏み出すことが同社の揺るぎないモットー。「互いに、いっしょに、快く」を意味する「健康快互」の世界の実現を目指して、同社は未来に挑戦し続けている。

コラム

身内として親身に話を聞くよき相談相手でありたい

東京中小企業投資育成
業務第一部
部長代理 庄川和宏氏

フットマークさんは、現場のの声やニーズを巧みに拾い、それをきちんと製品に仕立て上げ、市場に出し切る力が非常に優れていると思います。
株主総会の運営方法にしろ、社長や取締役の報酬の決め方にしろ、日々さまざまなご相談をいただくなかで、私たちがお伝えしているのは、世間一般の会社ではこのようにしているということです。三瓶社長から報酬の決め方についてご相談があったときには、当社で役員取締役報酬を調査した資料を持参し、他社での報酬の決め方や報酬額の相場について説明させていただきました。
私たちは株主として、投資先企業の経営について育成指導は行いますが、役員の派遣や経営干渉は行わず、あくまで自主的な経営を尊重しています。そのため経営相談の際にも、こちらから「こうしましょう」とか「こうすべきです」という回答はあえてしていません。自社のことは自社で決めるのが当然であり、私たちはその判断材料を提供しているにすぎないのです。
当社は、長期安定株主として配当をいただきながら、投資先企業の健全な成長発展を支援することを基本方針にしている以上、投資先企業と同じ船に乗っているようなものです。身内としての意識を持ち、親身になって相談に耳を傾けるホームドクターのような存在でありたいと考えています。

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