事業承継支援における
良きパートナー、良きライバル

(太陽グラントソントン税理士法人 パートナー・税理士 梶本 岳様)

弊社は、太陽グラントソントン税理士法人の梶本岳パートナー税理士と10年来連携し、中小企業をご支援してきました。今回は梶本岳税理士に、事業承継(非同族承継)における弊社のサポート体制などをお話いただきます。

太陽グラントソントン税理士法人
主要業務:
税務コンプライアンス
国際税務
グループ企業間取引設計・連結納税スキーム設計
移転価格税制コンサルティング
事業承継コンサルティング
企業組織再編・資本戦略コンサルティング
M&Aトランザクション
代表者:
佐藤陽一郎 (理事長)
石塚洋一 (統括代表)
浜村浩幸 (代表社員)
設立:
2002年4月
本部・東京事務所:
〒107-0051
東京都港区元赤坂1-2-7 赤坂Kタワー19F
太陽グラントソントン税理士法人 梶本岳税理士

多様化する事業承継のあり方

太陽グラントソントン税理士法人は、太陽有限責任監査法人を中心とする太陽グラントソントングループの一員として、大規模法人に対する税務申告・税務アドバイザリーサービスのほか、中堅・中小のオーナー企業の事業承継、組織再編、資本政策など、幅広いコンサルティングサービスをご提供しています。

その中でも近年、大きく様相を変えているのが「事業承継」です。
オーナー企業の場合、これまではご子息が跡を継ぐ「同族承継」がほとんどでしたが、最近は少子化や後継人材難などの影響で、「非同族承継」のご相談が増えています。

非同族承継でよくあるのが、従業員が後継者となるケースですが、先代から自社株式を引き継ぐための手元資金がないことも少なくありません。かといって、第三者に出資を仰ぐと、自主的な経営が難しくなる恐れがあります。

そのような非同族承継を選択される企業様にぜひ知っていただきたいのが、「長期間株式を保有してくれる東京中小企業投資育成株式会社(以下、投資育成)に株主になってもらうことによって、スムーズな承継が可能になる」ということ。
現に近年、私どもへのご相談事例においても、投資育成制度の活用をご提案する機会がかなり増えています。

それに、投資育成を株主として迎えた企業の経営者にお話を伺うと、「国の機関だから安心であることに加えて、手厚い支援にとても感謝している」といった声が多く聞かれます。 この「支援(育成)」こそが、投資育成の強みでしょう。
そこには、投資育成に毎年支払う配当金の金額以上の大きな魅力があると思います。

太陽グラントソントン税理士法人 梶本岳税理士

投資育成をお薦めする3つの理由

ここからは、私どもが投資育成と連携し、また、企業の経営者に同社をお薦めする理由をお話ししていきましょう。その理由は、大きく3つあります。

1つ目が、「与党株主」という点。投資育成は原則、株主総会で経営陣の意向を踏まえて賛成票を投じてくれます。このお話をすると、多くの経営者に「本当なのか」と驚かれます。投資育成は「国の政策実施機関」ですから、一株主としての利益追求だけが目的ではありません。「会社の健全な成長発展にとって必要かどうか」という視点で判断をして、余程のことがない限り経営陣が提案した内容に賛成票を投じてくれます。

加えて、原則、役員派遣もありませんし、他のベンチャーキャピタルのように、上場や短期的な利益追求を前提とした経営を求められることもありません。
株主でありながら、常に経営者をサポートしてくれる、大変ありがたい存在といえます。

2つ目が、「一定の比率の株式を長期にわたって保有してくれる」こと。企業を経営している限り、必ず事業承継の時はやってきます。しかも企業が存続する限り、それは何度も起こります。

同族承継の場合、例えば70歳の親から50歳手前の子へとバトンが渡されれば、経営者は一気に20歳若返りますよね。
一方、非同族承継の場合、60代半ばくらいの経営者から、相応の経験を積んだ50代半ばくらいの従業員が引き継ぐことが多いように見受けられます。つまり、非同族承継においては事業承継のサイクルが短くなることを意味しています。
非同族承継を行うにあたって、投資育成が一定の比率の株式を保有してくれる安定株主となってくれれば、非同族の経営者が次の経営者に引き継ぐ株式も少なく済みますし、また、短い間隔で生じる事業承継を、その都度支えてくれるというわけです。

事業承継には、オーナーの株式を「事業承継ファンド」のような投資ファンドに売却する方法もあります。
この場合、ファンドなので保有期間の限度があり、3~5年の間に次の引き受け手を探さなければなりません。出口戦略の目処がついていないと、あくまで一時的な対応になってしまうことが多いといえます。

一方で投資育成は、良好な関係を築けば、数十年といった長期にわたって株式を保有してもらうことが可能です。企業の株主構成や資本政策の中長期的な安定に、一役買ってくれる存在であることは間違いありません。

3つ目が「信用」。投資育成が株主になっていると、金融機関や取引先等からの信用度が格段に高くなる印象があります。
中小企業の借入は、まだまだ経営者保証が必要な場合がほとんど。この経営者保証が非同族承継を行う際の障壁のひとつとなっていることは、皆さんもご存知のことと思います。

とはいえ、金融機関に経営者保証を解除してもらうことはそう簡単ではありません。
そのような中、現に私のクライアントでは、「投資育成の出資を受けて非同族承継を行った際、経営者保証を外してほしいと願い出たらあっさり承認された」というケースもありました。

繰り返しになりますが、投資育成は国の政策実施機関です。投資育成が出資をする、つまり株主となる際にはしっかりとした審査が行われます。金融機関から見れば、その審査にパスしたということが安心材料となることは、言うまでもありません。結果、金融機関等からの信用が高まるのでしょう。

豊富な知識と経験で経営を全力サポート

先ほど、「投資育成は与党株主である」と申しましたが、従業員持株会のような、単なる「物言わぬ株主」ではない点も強調させてください。むしろ、企業側から望まれれば、積極的に支援やアドバイスをしてくれるのが、投資育成の社名にもある「育成」の部分なのです。
「物言う株主」が「経営陣に自らの考えを正面からぶつける株主」とするならば、投資育成は、「経営者の横に並んで企業の未来を一緒に考え、歩んでくれる株主」という感じでしょうか。
このメリットを活かして、クライアント企業の成長を投資育成と私ども税理士が両脇から支援する、そのような関係性を育んでいきたいといつも思っています。

支援やアドバイスという点では、投資育成の各担当者は、会社法や税制をはじめとした専門知識がとても豊富です。その知識によって、企業経営を全面的にサポートしてくれるのです。

また、中小企業が利用できる中小企業支援施策についても、最新情報や活用方法をアドバイスしていただけます。
投資育成は中小企業庁が管轄する政策実施機関ということもあり、中小企業庁に出向する社員さんとも連携して、いち早く中小企業施策を届けることに力を入れているのですが、こうした専門的知識を持つ担当者が近くにいることは、経営陣にとって大きなメリットといえるでしょう。

太陽グラントソントン税理士法人 梶本岳税理士

リソースが限られる中小企業にとって、投資育成は“社外総務部”のような存在と言ってもいいかもしれません。
自社株式周辺に関する各種手続きはもちろんのこと、会社法に関する手続きや社内規程の見直しといったことにも的確にアドバイスしてくれますし、投資先企業の課題を整理して適切な各種専門家を紹介してくれることもあるそうです。

私どもとしては、たとえ専門分野でなくても、つねづねクライアントからファーストコールをしてもらえる存在でありたいと思っています。最初に相談されるのは、信頼の証ですからね。
でも実際は、投資育成に先に相談する経営者も多いのです。

こうした話を聞くと、投資育成をクライアントに紹介することによって、良いソリューションを提示できたことを嬉しく思う一方で、私たちも「より多くの信頼を勝ち得たい」と、悔しく思う気持ちもあります。
投資育成は、いわば良きライバルですね。お互いに高め合って、もちろん協力しながら、クライアントを支えていきたいと思っております。

投資育成制度に適した企業とは?

ここまで、投資育成が株主となることのメリットをお話ししましたが、「本当にパートナーとなり得るのか」という点は、最終的には経営者にご検討いただくほかありません。
私が見てきたなかでは、経営陣が従業員の方を向いて経営している会社は、投資育成の制度活用に適した企業と云えるのではないかと考えています。

投資育成が株主となった場合、当然、決算書など情報の開示は必要となります。
したがって、自社の決算状況といった経営情報を従業員にも開示するなど、透明性の高い経営をしていたり、今後そのようにしていきたいと考えていたりする企業は、投資育成との相性が良いと思いますよ。

次に、配当をどう考えるかも検討課題になります。
投資育成には毎年安定的な株主配当を支払う必要がありますが、「これまで配当をしたことがない」といった理由で、躊躇する会社は多いものです。
しかし会社法が改正され、未上場企業であれば、株主ごとに柔軟に配当を設計できるようになりましたので、実際の配当負担はそこまで大きくはなりません。何より、ここまで申し上げたメリットの数々は、それに勝るものだと思いませんか?

経営者の皆さんには、配当など金銭面での負担にとらわれず、中長期的な視点を持って利用を検討していただきたいですね。投資育成には、配当を支払うこと以上のサービスを期待できると、私は考えています。

また、あえて投資育成の制度が向いていない場合を申し上げるならば、「株式は同族で100%持ち続けたい」という意向が強い企業です。もちろん、このような考えを否定するものではありませんが、絶対に親族以外に株式を分散させるべきではないとお考えでしたら、一族で株式を保有し続けた方がいいでしょう。
投資育成だけに限りませんが、一旦外部株主を迎え入れたあと、株式を再度買い戻して同族100%の株主構成に戻すには、相応の労力を必要とするからです。

太陽グラントソントン税理士法人 梶本岳税理士

ぜひ、「本業に注力できる体制づくり」を!

投資育成を株主として迎え入れるかどうかを検討することは、「会社はだれのものか?」といった視点に立って、企業経営を考える機会となります。

もし経営者、現オーナーの方が、「会社はファミリーのもの」と捉えていらっしゃるのであれば、私たちは「外部の株主に入ってもらうのはやめたほうがよい」と、アドバイスをせざるを得ません。
一方で、「会社は社会の公器だ」「地域や従業員のために繁栄をさせていきたい」とお考えの会社には、投資育成制度はふさわしいものといえるでしょう。我々は経営者やオーナーの方の「目指したい姿」を伺いながら、中立的な立場で冷静に判断し、クライアントに提案するような存在でありたいと思っています。

今後も人口減少などにより、中堅・中小企業の後継者不足がすぐに解決するとは思えません。むしろ、加速していく可能性すらあります。それに伴い事業承継における課題もますます複雑化していくことが予想されます。

事業承継、特に株式の課題は、経営者にとって日々の商売、いわゆる「本業」以外のことにほかなりませんし、不慣れなテーマかと思います。
しかしながら、これらは企業経営の根幹をなす話であり、適切に対応していかなければ、やがては本業にも支障が生じてしまいます。
だからこそ、私ども税理士をはじめ、投資育成のような外部の専門家の力をどんどん借りていただくべきなのです。

投資育成は、力を貸していただくという観点では良きパートナーであり、クライアントの信頼を勝ち取るという意味では私にとって良きライバルでもあります。
これからも投資育成と共に、多くの企業が本業に注力できるよう、サポートや課題解決に努めていきたいですね。

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